ツェムリンスキーの交響曲第2番変ロ長調
2021年 03月 02日
なんだか疲れていて、気力が湧きません。こんな時は、あまり難しくなくて響きの美しい曲に、温泉につかるようにのんびり浸りたい気分になります。世紀末ウィーンあたりのユーゲントシュティール様式の音楽がいいと思い、ツェムリンスキーを聴いてみることにしました。シャイーの『人魚姫』やマゼールの『抒情交響曲』は昔よく聴きました。それ以外の作品はまだ馴染みがないので、いずれじっくり聴き込んでみたいと思っている作曲家の一人です。
今日は交響曲第2番変ロ長調を聴きました。これは1897年に完成され、2年後に作曲家自身の指揮で初演されて評判を呼び、ベートーヴェン賞を受賞した出世作とのことです。コンパクトにかっちりまとまったブラームス流の作品で、同時代のフランツ・シュミットの作品などとは違って旋律が豊富なのでとても聴きやすいです。
シャイーの録音もありますが、今日聴いたのは交響曲を全曲録音しているアントニー・ボーモントという人の指揮でチェコ・フィルが演奏しているChandos盤。この指揮者のことは知りませんでしたが音楽学者で、ツェムリンスキーを専門にしており、ウニヴェルザールから出ている『人魚姫』のスコアの校訂をした人とのこと。手堅い、見通しのいい指揮ぶりで、シャイー盤よりスケール感はないもののすっきりまとまった好ましい演奏でした。それよりなにより、チェコ・フィルの響きがすごくいい! これは超優秀録音でした。
なんだか、チェコ・フィルで聴くと第二楽章スケルツォで短い動機が鳴り交わすのがちょっとドヴォルザークやヤナーチェクみたいに聴こえるのも面白かったです。第三楽アダージョもドウォルザークぽい。あと、第四楽章はまんまブラームスの第四番の第四楽章をお手本にしていますね。こんなふうにいささかオリジナリティには欠けますが、十分聴きごたえのあるいい曲だと思います。
まあ、甘々のユーゲントシュティール様式ではなかったけれど・・
このコンビの三枚で全集になるツェムリンスキー交響曲集、SSDに入れて聴き込んでいこうと思います。
by blumfeld68
| 2021-03-02 23:11
| 音源仕分けメモ
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